レイ・ハリーハウゼン氏のこと。

去る5月7日。
特撮(モデルアニメーション)の巨星、レイ・ハリーハウゼン氏が亡くなられた…


1981年公開『タイタンの戦い』を最後に劇場用映画の特撮現場から退いた氏。
SF作家のレイ・ブラッドベリ氏とは高校生の時から親友であったということだが、
(ハリーハウゼン氏の本格的なデビュー作『原子怪獣現わる』(1953)の原作が、
 ブラッドベリ氏の短編『霧笛』であったことはつとに有名)
そのブラッドベリ氏も、昨年惜しくも鬼籍に入られた。
今頃、お二人はきっとあちらでSF談義に花を咲かせておられるに違いない…


↓氏の作品は多々あれど、個人的に思い出深いのは『恐竜グワンジ』であります。
グワンジ1
日本では1969年夏に公開、当時5歳だった私は、今は亡き父と二人して劇場で鑑賞。

地味な作品ですが、氏の恐竜のアニメートでは最もクオリティが高いのではないかと、、、
グワンジ2
私はそんなふうに考えております。

グワンジに噛みつかれるゾウが可哀想だったなぁ…

↓それにしても、当時のパンフレットのひどい誤植…
グワンジ3
…バリーハウゼンじゃないよ、失礼しちゃう。


以下、個人的な感想ですが、、、


モノクロ時代の作品『原子怪獣現わる』や『地球へ2千万マイル』(1957)なども、
もちろん見どころ満載の傑作であると認識しておりますけれども、、、

あらゆる面で完成度が高いと感じるのは、『シンドバッド黄金の航海』(1973)かな。
黄金のR
陰母神カーリやグリフォン等の特撮だけでなく、本編も、また音楽も素晴しかった。

『シンドバッド虎の目大冒険』(1977)に登場する猿(ヒヒ)の自然で愛嬌ある仕草や、
虎の目タイタン
前述『タイタンの戦い』での白馬ペガサスの天駆ける勇姿もまた印象深いものでしたね。


ちなみに氏は『〜黄金の航海』公開時に53歳、『タイタン〜』の時は61歳におなりでした。


派手で賑やかで迫力満点の活劇物としては『シンドバッド七回目の冒険』(1958)や、
七回目R
『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)といった、氏が40歳前後の頃に手がけた作品群を推す
こととなりましょう。

『アルゴ〜』も劇場パンフをご紹介したいのですが、実は所有していませんで、、、

↓ここはひとつ(関係ないけど)『恐竜100万年』(1966)をば…
100万年
右が初公開時、左がリバイバル時(特撮は素晴しいけど本編の方が残念でしたよね…)。


後年の作品では、荒唐無稽な巨大怪物の登場する機会は減り、代わりに比較的小さな怪物、
例えば人間の背丈より少しだけ大きいとか、人間と同等又は人間より小さいといった、
現実味あるサイズの怪物たちが登場し、自然な動きを見せるという傾向にありました。
前述のヒヒの如く、架空の怪物ではなく実在する生物がそのままの姿で登場する、
といったケースも…

ごく身近に感じられる、よりリアルな生物表現の追求。

歳を重ねるという事、すなわち熟練の域に達した表現者というのは、氏に限らず、
元来そっちのベクトルに向かうものなのでありましょう。



特撮の神様、我らが円谷英二氏(着ぐるみ+大規模なミニチュアセット+高速度撮影)とは
対称的な作風(間接可動な人形+実写合成+コマ撮り)で知られるハリーハウゼン氏。
奇想天外な幾多の幻想世界を創造し、手に汗握る冒険を我々に体験させてくださった、
氏のご冥福を祈らずにはおれません。


合掌。
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プロフィール

喜多村 武

Author:喜多村 武
 映像Director、絵本作り、
 イラスト作画、アニメ制作、
 鉄道模型の設計などしている
 ”アトリエざんまい” な日々。
 最近は大学にて講義をさせて
 いただいたりも…。

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