『ワイルド7』

(以下の記事、書いてからすでに2ヶ月が経過てしまい、今さらですが…)

2012年…年明け早々、鑑賞してきました。
wild7.jpg
映画『ワイルド7』。

”お前がやれぬことならば 俺がこの手でやってやる
 そうさこの世のどぶさらい 悪にゃめっぽう強いやつ
  とばすマシンのシルバーが 暗い闇夜を引き裂いた
   何かありそうな あの7人 何かありそうな ワイルドセブン”

…懐かしい…ですが、、、
ソノシートR

昭和47年に放送されたあのTV版の主題歌は、映画版には一切使われておりません。
カード1

なにしろ今この時代に作られたまったく新しい解釈による作品ですから。

さて、映画『ワイルド7』です。
キャスティングが発表された時点では ”この役者サンたちで果たして大丈夫か?” と訝しく思い、
しかもチャーシュー、両国、八百の3名が、今風のナウい(?)名前に変更されることを知り、
撮入前の段階で ”こりゃだめだろ~な” と感じたものでした。

ところがどっこい大作。
映画館でじっくり観てみたら、とってもおもしろいじゃないですか。

原作漫画を描かれた望月三起也氏が作品作りに当たって大切にされたのが”実証主義”とでもいうべき大道具・小道具へのこだわり。曰くオートバイであったり、銃器の類いであったり。
私はバイクも銃器も詳しくありませんが、撮影現場におけるこだわり(キャラクター設定に合わせて配慮したチョイスの仕方、見せ方の工夫など)は画面からビリビリと伝わってます。

このカット、この見せ方、ガンマニアやバイク好きにはたまらんだろうなぁ、などと頷きつつ…

そんな調子でこだわり男子(もちろん女子も)の琴線を刺激するここらへんのセンス、
昭和47年に初めてTVアニメ化された『ルパン三世』にも通じるよナァ…と感じた次第。
lupin_01R.jpg LUPIN_02.jpg
昭和47年版『ルパン三世』で初めて本格的に、物語や登場人物の個性に合わせて、現実に存在するクルマや銃、腕時計やタバコなど大道具・小道具類をチョイスしてあてがい、舞台となる国家や都市における文化や習慣、建築物、生活環境などを現実に則して設定し、可能な限り資料を集めて作画を行うというスタイルが確立されたのでありました。
トラTR4 LUPIN_04R.jpg
↑(第9話)ラジエターグリルを外してやる気満々のトライアンフTR4を峰不二子が駆る。

"アニメ" なんて呼称はまだ使われておらず、押し並べて "TVまんが" と呼ばれていた当時、、、
次元
このようなリアリティを重視した作画方針の実現は、演出の大隅正秋氏と作画監督の大塚康生氏による功績と讃えられるべきで(高畑勲氏と宮崎駿氏はあとから参加)、しかしながら視聴率の低迷から半年で打ち切りとなったことは甚だ残念であるものの、当時としては内容が大人向けであったことも含めて時期尚早に過ぎた、ということに尽きましょう。
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(ちなみに『ルパン三世』の後番組は『超人バロム1』でしたね…ルロロロドルゲ~)

それ以前は「なんかクルマみたいなものや、バイクみたいなものに乗った主人公が、銃みたいなものをぶっ放す」といったいかにもマンガチックでデタラメな表現が横行していたわけですが、
漫画では『ワイルド7』、アニメでは『ルパン三世』が登場して以降、この手の作品ではリアルな表現を追い求める傾向に向かうわけで、のちに続く作品群の魅力を格段に高めてゆくことに貢献したと評しても過言ではないでしょう。

主人公が犯罪者である、あるいは作風に独特のアンニュイな気配を醸している、等といった点も共通項として上げられそうですが、それはともかく。

再び映画『ワイルド7』に戻りまして、、、
NEC_0002R.jpg
今やCGIの技術なくしては映画は作れない時代であり、本作にも至る所にCGやデジタル合成が使われていますが、それらはあくまで最終的な加工であり、肝心な部分は基本的に撮影現場主義を貫いておられるようで、そのあたりにも大いに好感が持てます。

もちろんストーリーもね。存分に楽しめましたよ。中盤以降のかなりヤバイ展開に、結末は二通りしかありえない、さてどっちであろう?…なんて手に汗握りながら…。
結果、こうであって欲しい、こうでなきゃ、というエンディングを迎えることとなり、ようやく安堵できたわけです。

連続ドラマ化してくれたらおもしろそうだな、とも思ったりしますが、どうなんでしょうね。
NEC_0003.jpg
そもそもこの作品、ヒットしてるのかな…??

(…1月に書いた記事ですがUPするのを忘れていました…もう上映は終わったのかしらん…?)


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プロフィール

喜多村 武

Author:喜多村 武
 映像Director、絵本作り、
 イラスト作画、アニメ制作、
 鉄道模型の設計などしている
 ”アトリエざんまい” な日々。
 最近は大学にて講義をさせて
 いただいたりも…。

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