FC2ブログ

昭和16年の映画『指導物語』を鑑賞。

先月某日のこと。
1941年 (昭和16年) に東宝が制作した映画『指導物語』を鑑賞しました。

指導07

指導04

指導05


時代的には戦意高揚の為の国策映画の一つと捉えるべきでありましょうが、
それでも、太平洋戦争の勃発前に制作された作品であることから、
老教官と若き教え子との交流と成長を描いた映画として、
プロパガンダなんて意識せず純粋に鑑賞することが出来ると思います。
良い映画なので、多くの人たちに見ていただきたいなぁ…


と思いつつ…
鑑賞してみて驚いたことが二つ。


まず一つ目、劇中にミニチュア特撮シーンが2カ所存在することに驚いた。
指導06
本編では特技スタッフの名前は誰もクレジットされていないので不明なれど、
時期的に考えて円谷英二さんの関わられたお仕事か、そうでないとしても、
きっと東宝特殊技術課のどなたかのお仕事に違いない…とは思うものの…
私の知る限り、特撮映画の専門書にこの作品の記述を見つけることはできず。
どうやら、本作に特撮シーンが存在することは世に知られていないらしい、
ということにまず驚きました。


続いて二つ目(こっちが大事)。
鉄道連隊の若き機関特業兵を演じられた藤田 進さんは…
指導01
戦後も数々の映画(特撮映画や黒澤映画に多々ご出演)やドラマに出演され、
重厚な芝居を披露してくださいましたし…

共演の原 節子さんも…
指導08
戦後の映画界でのご活躍ぶりはご存知の通り。

ですが…
省線の老機関士役を演じられた主演の丸山定夫さんのお姿は、
戦後の作品では一度もお見かけしておりませんで…
指導02
なんでかなぁ?と思っていたら…

なんと…
丸山定夫さんは移動演劇櫻隊の隊長を務めておられたんですね。
つまり…どういうことか、お分かりですよね。
8月6日、爆心地から700mという至近距離で被爆なさって、
玉音放送の日の翌日にお亡くなりになっていたんです…

丸山さんのかつてのお仲間には、後に『七人の侍』や『隠し砦の三悪人』、
『赤ひげ』などで活躍なさる藤原釜足さん、喜劇俳優の榎本健一さん、
後に「近代俳優術」を著し、演出家としても知られた千田是也さんといった、
著名な役者さん方がおられたようですし、もしもご存命であったとしたら、
丸山定夫さんも同じ様に映画や演劇の舞台で活躍なさっていたやもしれず…
やるせない思いが溢れてまいります…

指導11

そして、丸山さんに限らず…

戦中の映画に出演なさった俳優さんや、制作に携われた映画人の中には、
戦後を迎えることなくお亡くなりになった人たちが数多くいらっしゃる。
近年作られた反戦映画を見るのも勿論良いでしょうけれど…
真実の出来事として、戦中の作品からしか得られないことも多々あると、
私は常々思っているのですよね。

映画『指導物語』、機会がおありの際は、ぜひご鑑賞くださいまし。。。

関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

喜多村

Author:喜多村
 映像Director、絵本作り、
 イラスト作画、アニメ制作、
 鉄道模型の設計などしている
 ”アトリエざんまい” な日々。
 最近は大学にて講義をさせて
 いただいたりも…。

最新記事
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR