ムーアさん、逝く。。。

2017年5月23日、英国俳優のロジャー・ムーアさんがお亡くなりになった。
コロムーア02
コネリーさんより3つ年上だったムーアさん…


もちろん七度に渡り演じられたジェームズ・ボンド役が強く印象に残っているが、
たとえば『ワイルドギース』での洒脱なアオレンジャー的役柄も素敵だったし、
あるいは『北海ハイジャック』でのおヒゲの隊長役もクールで恰好良かったし、
ご自身をパロディ化し楽しそうに演じておられた『キャノンボール』も懐かしい。


で、ここでは、ロジャー・ムーアさんが登場なさった、
7代目トヨタ・コロナのカタログ (1982年) をご紹介するといたしましょう。
コロムーア01
あらためて見るとススス、凄い。
肝心の新型コロナが表紙に一切登場しておりません。


中身にはもちろんコロナが登場しますが(当たり前)、それでも…


ダンディなムーアさんのお写真がそこかしこに配置されてもいて…
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まるでJ.B…うーむ、恰好良い。


なぜこのカタログが手元にあるかと言えば…


当時、今は亡き母がコロナ1800GXを購入したのですよね。
その時にディーラーで貰ってきたのがこのカタログなのであります。
コロムーア04
(その際検討したと思しきメモのあとが残っていたりして…)


私も、2CV6の新車を買う3年ほど前、まだ運転免許を皆伝したばかりでしたが、
母から借り受けてムーアさん気分でハンドルを握ることが度々ありました。
コロムーア05
日本製の小型大衆車であるコロナがボンドカーに相応しかったか否かは兎も角…
今見ても充分魅せてくれる、シンプルかつ秀逸なコックピットだと感じまする。
(ただチョット私は右ハンドル車が苦手なもので…いやはや…)


それで、、、
たしかシングル盤もあった筈だよなぁと思ってクロゼットの中を探してみると…


ありました。当時のCMソングです。
『追憶のストレンジャー』歌うはマキシン・ウェルダンという人。
コロムーア10
この曲をBGMに…
ムーアさんがコロナで登場し”美女との危険なランデヴー”をキメるのでしたネ。


ちなみに…


007シリーズ11作目『ムーンレイカー』のシングル盤も出てまいりまして…
作曲はジョン・バリーさん、歌うはシャーリー・バッシーさん。
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特にB面の方…シリーズ中1、2を争うほど好きなアレンジです…


いやはや…脱線してしまって、ムーアさん、ご免なさい。


私も若き頃は貴殿の作品に酔いしれ、再三に渡り勇気とやる気を戴きました。
スクリーンにて沢山の夢を与えてくださり、どうもありがとうございました。
極東の島国・日本に住むファンの一人として、慎んでご冥福をお祈り申し上げます。


当時の宣伝文句は… ”誰も私を超えられない。”
コロムーア07R
仰せごもっともにございます。。。

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『日本特撮技術大全』

学習研究社から刊行されている分厚い書籍、『日本特撮技術大全』。
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月に一度の我々の研究会 (お食事会?) の大事なメンバーでもあるUさん渾身の作。


いやこれはすごいボリュームですよ。
本当にすごい本です。


丁寧な取材によるインタビュー記事は詳細を極め、、、
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撮影現場で撮られた貴重な写真の数々は資料として超一級品。
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Uさんはじめ、当時の関係者の皆さん及び多彩な執筆陣の魂がこもった一冊です。
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かつての現場の人々の極限の英知が発し続ける熱狂を、今この時代に感じてほしい。
興味がおありの方も、まったくおありでない方も、ぜひご一読されたし。


というか、、、

我々世代の日本人であれば、誰もが読んでおくべきかもナァ、とも考えます。
ボクたちワタシたちの時代は、世界的に見ても稀な時代でした。
あれほどたくさんの特撮作品が作られて(粗製濫造も確かにあったが)、
あれほどたくさんの異形の者たちが都市を蹂躙し破壊し暴れ回った国家は、
世界広しと言えど我が国だけ。

それは、言うなれば、
敗戦国として、また核の傘に守られ表面上安穏と日々過ごしてきた国としての、
当然の帰結による自然で多彩な芸術的活動であったと、そう解釈できましょうし、
だからこそ平和に対する独特の考え方、鋭い視点がそこに散見できるのであって、
そうすると…つまりそれは…

等と、いろいろ考えさせてもくれますよ。
そうして、ぜひ楽しんでみてくださいましね。


なお、初回分の特典として、、、
人気作『三大怪獣〜』と『〜ビオランテ』の復刻台本という嬉しいおまけつき。
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これがまたすごいゾ。監督の書込み入りだゾ。
特に『三大怪獣〜』、ラストが完成作とは随分異なっていて驚きますヨ。


Uさん、おつかれさまでした!!!。
そして、どうもありがとう!!!。

映画の良き思い出。

またもや…
荷造り荷解きの過程でいろいろ出てきちゃうのが楽しくもあり切なくもあり…


かなり古めの段ボール箱。
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中身は懐かしい映画のパンフレットでぎゅうぎゅう詰めになっとります。


そのほとんどが公開当時入手したもの。
いやもういったい何百冊あるか皆目判らないので、
表層にある目についた物だけちょっとご紹介。


中〜高生の頃、勝手に我が師と仰いでいた市川崑さんの作品群。
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犬神家や『鹿鳴館』もある筈ですが、なかなか出てこず…途中で探すのを諦めました。。。


英アミカスプロの作品、両作とも主演はダグ・マクルーアさんだったけれども、、、
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『地底王国』はピーター・カッシングさんの方が印象的でしたね。普段と違いコミカルで。
ちなみに『恐竜の島』の特殊効果はサンダーバードのデレク・メディングスさんですよ!!!。


こちら、巷で話題になったりならなかったりした我が国の特撮作品。
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さて、特撮監督はどっちが佐川監督でどっちが中野監督でせうか??


ちょっと古い恐竜映画、ハマープロの『恐竜時代』と…
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ちょっと古いボンド映画『黄金銃を持つ男』、ロジャー・ムーアさんの2作目ですな。
ボンドよりクリストファー・リーさん演ずるスカラマンガが主役みたいな作品でした。


うわ。こわい映画のパンフレット。
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この分野が実は一番たくさんあるんじゃなかろうか…


まだある。『センチネル』のラストに登場するお化けたちはホントおっかなかったなぁ…
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『ファンタズム』は愉快だったね。『レガシー』のキャサリン・ロスさん、お綺麗ですね。
うー、これらはほんの一部。他に『ヘルハウス』とか『溶解人間』とかまだまだある筈…
あぁこわいこわい…


お、また古いボンド映画が。コネリーボンドのイオンプロ最終作とムーアさん第一作。
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ちなみに、ちらっと写っている『猿の惑星』シリーズは5作全て揃っております。


70年代後半の我が国特撮作品群、但し『北京原人の逆襲』は香港映画デス。
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さてサテ特撮監督ですが、どれが中野監督でどれが有川監督でどれが矢島監督でせうか??


富田靖子ちゃんカワイィ。そうだ!靖子ちゃんに握手してもらった事を思い出したゾ!
パン10
松下由樹さんのデビュー作でもある『アイコ十六歳』も良かったですね。持ってないけど。
右の『HOUSE』は大林宣彦監督の商業映画第1作。二番館で何十回と観ましたっけ。


先日、久方ぶりに『フェノミナ』を再見しましたがジェニファー嬢はやっぱりお美しい。
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ですが、アンを演じたミーガンちゃんの方がボクはすきだなぁ(なんのこっちゃ)。。。
ミーガン・フォローズちゃんの『赤毛のアン』誠に良い映画です。四季の描写も素晴しい。
未見の方は、ぜひ一度ご覧くださいまし。


と、まぁ、相も変わらず偏った趣味ですみません(笑)。
でも同時代に同じような趣味で映画を見まくった方々にはどれも懐かしいのではないかと。


それでですね、以前、映画のチラシについて触れた時にも書いたことですが、
これらのどれもがデジタル化以前の印刷物なんですよね。
この安心感たるや、ナンなんでしょ?…
(もちろんナンなのか、あの時代を生きた人なら誰もが判ってるわけですケドモ)


おまけ。『シェイマス』のポスター。
パン05
飄々と描かれる活劇場面での体を張ったアクションがゴキゲンなBGMと相まって秀逸。
『ハッスル』『ロンゲストヤード』と並ぶバート・レイノルズ氏の傑作デス!!!。


うーん、、、
全てに目を通すことは到底できなかったので(疲れちゃった)、
このへんでお開きといたしましょう。
映像の編集作業に戻らなきゃ。
では、どろん。

映画『銀嶺の果て』

三十年くらい前からずーっと観たかった映画。
つい先日、WOWOWが放送してくれました。


東宝映画『銀嶺の果て』。
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あの東宝争議の真っただ中、昭和22年8月に公開された作品です。


この、映画『銀嶺の果て』とは、、、
黒澤明さんのオリジナル脚本を基に、映画初監督となる谷口千吉さんがメガホンをとり、
三船敏郎さんのデビュー作となり、伊福部昭さんが初めて映画音楽を担当されたという、
今考えると、奇跡のような出来事が何度も重なったのじゃ!!!というような作品であります。


後に黒澤映画の常連となり、日本の映画産業に大いに貢献することとなる三船敏郎さん。
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東宝入社時はカメラマン志望だったそうですが、本作で俳優として鮮烈に銀幕デビュー。


重厚な役を演じられたら右に出る者はいない、名優 志村喬さん。
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悪人だが善人という難しい役を、大胆に、時に繊細に演じ切り、観る者の心を奮わせます。


終戦から二年、東宝が最も多難であった時期に公開された映画ですが、、、
後に世界を驚かした黒澤映画の傑作群も、伊福部節が炸裂した円谷英二さんの特撮映画も、
もし本作が無かったとしたら…だいぶ様相が違っていたかもしれません…


ちょっと大仰ですが、そんな意味で、東宝映画にとって…否、日本映画界にとって…
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(…そして不肖私にとっても…)なくてはならぬ重要な作品であると認識しております。


それから、そうそう、このことを書かずにはおれません。
悪役の志村喬さん(あの風貌とお声ですから…)が心を通わす山小屋の娘、春坊の役を、
この8年後に『ゴジラの逆襲』でヒロインを演じる若山セツ子さんが熱演しておられます。


若山セツ子さん。
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「この人、子役出身だったのか!?」と驚きつつ、明るく溌溂とした演技に心打たれます。


厳冬の銀嶺に一輪の花を咲かせ、雪で孤立する山小屋にまだ来ぬ春を香らせる可憐な少女。
荒くれ者の逃避行を、彼女が情緒豊かで清らかな物語へと昇華させ、観る者を感動させる。


そしてもうひとつ、そこにあるのは山、山なのです。
これは、登山の楽しさ、素晴しさ、厳しさといったものを、
まるで命を削るようにして、見事に収めた作品でもあるのです。
頂から望むローゼンモルゲン、薔薇色の朝。
亡き我が父もこよなく愛した山、訪れる者の魂を濯う山。
そこに集い住まう人々を、優しく、強く、抱く山。。。


映画を観終えて、、、


そうだ、こうして人間の業をあたたかい視点で描くのは黒澤さんならではだな、と感じ…
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今後の人生において度々観返したくなる、私にとってそんな愛すべき1本となりました。


『銀嶺の果て』…今年観た映画の中で、今のところ一番のお気に入りです。
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興味がおありの皆さん、ぜひ一度、ご鑑賞くださいませ。。。


À bientôt!

暑い夏の悲しい訃報。

東京 渋谷区某所にて俳優の加藤 武さんとお会いし、話をさせていただいたのは、
ちょうど『犬神家の一族』リメイク版の撮影中の時期でした。

若僧の私は猪口才にも『警部マクロード』の時のことなどお聞きしたりして、
そんな私に、今にも敬礼なさるんじゃなかろうかとびっくりしてしまうほどに
直立不動なご様子のまま、お優しい口調でいろいろ話をしてくださった。

その時のあなたのお姿とお声は、私にとって生涯のたからものであります。

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たくさんの感動を、誠に有り難うございました。
ご冥福を心よりお祈り申し上げます。


嗚呼…寂しいなぁ…寂し過ぎる…


映画音楽について語ってみる。

語ってみるといっても、ちょっとだけ。ほんのちょっと。


もうキリキリ舞いしてるのです、ここ数日。
急ぎの絵のお仕事に時間を費やしたため、メインディッシュのアニメの方が進まなくて。


それでふと、2Bの鉛筆を握った手を休め、この世で最も美しい映画音楽って何であろう?
等とばかなことをぼんやり考えてみたものの、作品の数が多すぎて決められるわけがない。



では、怪奇映画限定でならばどうかと。
この世で最も美しい怪奇映画の音楽といえば?


「吸血鬼カーミラ」を原作としたロジェ・バディム監督の『血とバラ』と、
『恐怖の怪奇惑星』でお馴染みマリオ・バーヴァ監督の『白い肌に狂う鞭』、
この二本が僅差で一位の座を争うであろうことに、私として疑う余地はございません。


『血とバラ』1960年 フランス/イタリア合作映画
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急にモノクロになったり耽美で前衛的な映像表現が…あれ?大林監督?。


『白い肌に狂う鞭』1963年 イタリア映画
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主演のクリストファー・リー氏は早々に退場しますがユーレイになって戻ってきます。


鮮烈な映像とともに、
美しくもの悲しい旋律がいつまでも耳に残り、深く心に刻まれる。
両作品ともそんな映画でございます…
怪奇映画なのにね…
音楽がすばらしいんです、はい。



ではでは、この世で最も美しいSF映画の音楽といえば、さて何であろう?


うーん、そりゃもうフランソワ・トリュフォー監督の『華氏451』じゃぁなかろうか。
(まいけるむぅあとかいう米国人が作った『華氏911』じゃないですよ、間違えないでね)
つい先日、TVの映画劇場で久しぶりに見たけれど、やっぱりいい映画だ。
そして音楽、これがまたいい。


『華氏451』1966年 イギリス映画
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音楽担当はバーナード・ハーマン氏(『シンバッド七回目の航海』で有名でござんす)。


どんなお話かはここには書きませんが(興味がおありの方は映画をご覧になるなり、
レイ・ブラッドベリ氏の原作小説をお読みになるなりしてくださいましね)、
制作された時よりも今この時代、デジタル化の名の下に文明崩壊がほぼ完了しつつある、
今この現代において鑑賞した方が、恐ろしさも、愚かさも、哀しさも、切なさも、
そしてモンターグたちが掲げた反社会的正義の在り方も、身近に感じられる筈ですし、
より深く心に響くってものですよ、みなさん。


そうなんだ。未来を描いたSF映画の味わいってのは元来そういうものなのだろうね。
『ソイレントグリーン』なんかも、そう。
昨年拝借して再見したが、今の時代にじっくり見た方が、やはり…ね。



おまけ。

映画『血とバラ』から。
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メインタイトル。

リザに牙を剥く直前のカルミラ。
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アネット嬢を背後から照らす儚げなライティングの美しさよ。

そして、あぁ、痛ましきラストシーン…
血とバラ3R
以上たった3コマですが、可憐で切ないメロディがお耳に届きましたでしょうか…


では、ばははい。

某映画、完成試写会。

今夏、"某所にて撮影中の映画に出演させていただいた件" についてちょっと触れましたが、
その続報です。


あの時は極秘であったその映画がついに完成。
マスコミ向けの試写会を都内某所にて開催しますゾ、とのお誘いをいただき、
去る11月某日、私も試写会場にて拝見してまいりました。



映画の題名は…『地球防衛未亡人』。
檀蜜さん主演の特撮もの、いわゆる怪獣映画でございます。


↓宣材ポスターがこちら。
地球防衛未亡人R

監督は、河崎 実さん。
私らの世代では『大怪獣フウト』や『エスパレイザー』を真っ先に想起しますが、
近年も『いかレスラー』や『ギララの逆襲/洞爺湖サミット危機一発』といった、
”特撮+笑い” を独特なセンスで追求した娯楽映画を撮り続けておられる監督です。

河崎監督は、書籍も多数執筆されていまして、
現在、秋田書店から『ウルトラ THE BACK ~ウルトラマンの背中~』が絶賛発売中!
背中表紙
おもしろい本ですよ、初出の珍しい写真が満載!ぜひお買い求めくださいませ!
(監督、宣伝しておきましたよ!)



さて、映画の内容は…
もちろんご覧になってのお楽しみ、でありますが、
やはり世の皆さんには主演の檀蜜さんが注目の的でありましょう。
檀蜜さん、今作では防衛隊のパイロット役を熱演しておられます。

試写b

その他、怪獣と防衛軍との対決シーンあり、時事ネタあり、笑えるシーンあり、
また、かつての円谷プロ作品で皆さんご存知の懐かしい俳優さん方がご出演だったり、
他にもいろいろ…色々…イロイロ…(?)。
今作も河崎監督ワールド鋭意炸裂中であります。



えーと、それで、私がどんなシーンに出演させていただいたか。
それは…ヒミツでございますー(笑)。
それにしても、実に楽しい撮影現場でございました。
抱腹絶倒の掛け合いを目の前で拝見して以来、いまだに思い出し笑いが続いております。
監督はじめ関係者の皆さん、あらためてお礼申し上げます。
どうもありがとうございました!!



でもって、試写会場では女優の大野未来さんとお話をさせていただきました。
声優もしてるの?なんて聞いちゃった程にお声が澄んでて、とても印象的でしたよ。
今作へのご出演が、今後のお仕事へと発展してゆくといいですね。
うん、きっと良いお仕事に繫がると思いますよ。
そんなわけで、ご活躍を期待しとりますです、はい。
がんばってね♪。



2014年2月公開予定とのことなので、その頃になったらまた書こうかな、
なんて思っておりまするが、えー、今日はとりあえずこのへんで。


ではデハ。

『サンダーバード博』

東京・台場にある日本科学未来館にて7月10日から開催されている『サンダーバード博』。

9月23日の終了まで残すところ1ヶ月を切ったということで、、、
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そろそろ書いても良いかなぁ〜、なんて思ってちょっと書いてみたりして。


ちなみに『サンダーバード』とは…英国で1965年に放映されたTV番組(全32話)です。
日本での初放映 (NHKにて) は1966年、私が2歳の時でした(←どーでもいい情報)。
どんな内容であったかは皆さんおおむねご存知のことと思いますが、ざっとご紹介すると、
時は21世紀、宇宙飛行士だった大富豪の一家が私費を投じて設立した国際救助隊の活躍譚…
マリオネットによる人形劇と精巧なミニチュア特撮で描かれたSF娯楽番組なのでした。


さて、、、
三越本店『ウルトラセブン展』見学の際、Cさんから『サンダーバード博』の広告チラシを
いただいたのがキッカケで、こりゃ行っとくべき!と思い、暑さ厳しい7月下旬の某日、
『新交通ゆりかもめ』にユラユラゆられながら現地を目指したのであります。


その日、あたりに溢れかえる来場者のあまりの多さにまずはびっくり。
よく見ると、同じ日にすぐそばで Tokyo Idol Festival なるイベントも開催されており、
若くて旬なアイドルさんたちの初々しくカワイィお姿がそこかしこでキラキラしてまして、
つまりサンダーバードと Tokyo Idol Festival 両方のファンが全国から大集合というわけ。
おかげで周辺は猛暑×2(笑)…台場は熱気むんむん大賑わいなのでした。

↓『Tokyo Idol Festival 2013』ウエストプロムナード広場の SMILE GARDEN。
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Perfumeのあ〜ちゃんの妹のちゃあぽんさんのお姿も(この写真には写ってない)。


で、、、『サンダーバード博』。
大前提として、展示には様々な見方があり、幾多の感想があることと思います。
そのうえで、あえて一筆啓上。
(ちなみに写真撮影はOK、但しフラッシュはお断りでありました)

我が国において『科学』と『科学技術』は往々にして混同されがち、ここが難しいところ。
また時期も時期、内容も内容ですから、展示が遊興施設化するのは仕方のないこととして、
それでもなお、やはりアレコレ考えさせられます…

たとえば、、、
番組中で描かれた未来の技術と現代の最先端技術を比較し、作品の先見性を論じている点…

それから、、、
運営方針なのでしょうけれど、展示床面積の広さに対し展示自体がいささか小規模な点…

そんな中、、、
小松崎茂画伯が描かれたプラモデルの箱絵の原画展示、これは素晴しかった。
なかなか本物を目にする機会はございませんから…感激至極…
であると同時に意外だったのが、印刷された箱絵のほうがナンダカ色鮮やかで艶やかで、
原画より美しく上質に見えてしまうこと。
いかん、いかん…

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『科学館』と『サンダーバード』。
展示の名称に『博』と付けられていることに鑑み、ちょっぴり辛口な感想となりました。
ごめんなさい。てへぺろ。


貴殿は『サンダーバード博』をご覧になって、どんな感想をお持ちになりますかしらん。
ぜひ、科学未来館の会場まで足をお運びくださいませ。
9月23日まで開催中。


Thunderbirds Are Go !!!!

ちょこっと出演。

えぇと、先週の出来事になるのかな。

某所にて、鋭意撮影中の某映画にちょこっと出演させていただいてきました。
今は何も書けませんが、一般公開された暁には、どうかな…
その時にはちょこっとご紹介できるかもしれません。


↓7月のある日、バルコニーから臨んだ夕焼け雲。
夕焼け2013年7月R

渋谷の夏の夕空ってのもなかなかイケますでしょ。
ふと、過去のいろんな光景や折々のいろんな音楽、そしていろんな人々の懐かしいお顔が、
あれこれ浮かんできましたよ。。。

うわ。もう8月か。

日本橋三越本店『ウルトラセブン展』

ウルトラセブン。
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1967年の放映開始から数えて、昨年で45周年だったんです。



ある日の夕方、
三越本店にて開催中の『ウルトラセブン展』に行ってきました。
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(入口の写真は受付の方に許可をいただいて撮影したものです)



会場内は無論撮影禁止ですし、展示内容をここで明らかにするのも野暮ですので、
詳しいことは書きませんが、予想以上に充実した展示でございましたよ。

普段はまず見ることのできない当時の貴重な資料を間近で見ることができますから、
いま現役のお子さんたちよりも、昔は子どもだった ”今は大人” な方たちのほうが、
感激するんじゃなかろうかと思える、見応えのある展示になってます。

また三越本店ならではの落ち着いた上品さも、この手の展示が陥りがちな遊興的空間化
とは一線を画すことに成功しており、このあたりも大人世代の支持を得ることでしょう。



そして個人的には…

45周年ということで、あの頃テレビに釘付けだった3歳の私が、とりあえず何事も無く、
今を元気に生きていることに、深い感謝の念を覚えましたし、同時に、展示されている
資料以外のものの中には、散逸して行方不明になったものもあれば、すでに消失、或いは
廃棄されたものも当然あるでしょうし、また当時の関係者の多くもすでに故人となられ、
そうしたモノやコトの全ては決して戻ってくることはないのだ、という現実に向き合い、
いささか複雑な思いをしたりもするのでした。

ともあれ、生きててよかった。
そして、敬愛なる友の皆さんと一緒に展示を見学できて、本当によかった。



さて。
展示の最後に用意された『ウルトラセブンと写真を撮ろう』なる記念撮影のコーナー。

↓もちろん、パチリ。なんか赤いマントがじゃまなんですけど(笑)。
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(撮ってくださったCさん、ありがとうございました)。


7月24日(水)~8月5日(月)まで、日本橋三越本店 新館7階ギャラリーにて開催中。
興味がおありの方は、ぜひどうぞ。


おまけ。

↓おみやげコーナーで買っちゃった。
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当時の台本を模した自由帳。うれしー。

6月3日の出来事。

えーと、本日の出来事。


午後2時少し前のこと。渋谷駅前交差点にて、
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サッカーボール片手にロケ収録中の片山千恵子アナに遭遇。


かわいぃなぁ。
昼下がりのスクランブル交差点付近、
立ち話の様相でスタッフと打合せする楚々としたお姿がすてき。


夕刻になり、『首都圏ネットワーク』がON AIR。
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このインサートVのロケだったんですね。


今後も、明るくて、真面目で、そして楽しい番組作りを期待いたしております。
がんばってくださいまし。



そんなような嬉しい出来事があった本日は、
なにをかくそう母の命日なのであります。

あちらの世界で安心してもらえるように、
がんばって、生きてゆきます、これからも。


À bientôt!


レイ・ハリーハウゼン氏のこと。

去る5月7日。
特撮(モデルアニメーション)の巨星、レイ・ハリーハウゼン氏が亡くなられた…


1981年公開『タイタンの戦い』を最後に劇場用映画の特撮現場から退いた氏。
SF作家のレイ・ブラッドベリ氏とは高校生の時から親友であったということだが、
(ハリーハウゼン氏の本格的なデビュー作『原子怪獣現わる』(1953)の原作が、
 ブラッドベリ氏の短編『霧笛』であったことはつとに有名)
そのブラッドベリ氏も、昨年惜しくも鬼籍に入られた。
今頃、お二人はきっとあちらでSF談義に花を咲かせておられるに違いない…


↓氏の作品は多々あれど、個人的に思い出深いのは『恐竜グワンジ』であります。
グワンジ1
日本では1969年夏に公開、当時5歳だった私は、今は亡き父と二人して劇場で鑑賞。

地味な作品ですが、氏の恐竜のアニメートでは最もクオリティが高いのではないかと、、、
グワンジ2
私はそんなふうに考えております。

グワンジに噛みつかれるゾウが可哀想だったなぁ…

↓それにしても、当時のパンフレットのひどい誤植…
グワンジ3
…バリーハウゼンじゃないよ、失礼しちゃう。


以下、個人的な感想ですが、、、


モノクロ時代の作品『原子怪獣現わる』や『地球へ2千万マイル』(1957)なども、
もちろん見どころ満載の傑作であると認識しておりますけれども、、、

あらゆる面で完成度が高いと感じるのは、『シンドバッド黄金の航海』(1973)かな。
黄金のR
陰母神カーリやグリフォン等の特撮だけでなく、本編も、また音楽も素晴しかった。

『シンドバッド虎の目大冒険』(1977)に登場する猿(ヒヒ)の自然で愛嬌ある仕草や、
虎の目タイタン
前述『タイタンの戦い』での白馬ペガサスの天駆ける勇姿もまた印象深いものでしたね。


ちなみに氏は『〜黄金の航海』公開時に53歳、『タイタン〜』の時は61歳におなりでした。


派手で賑やかで迫力満点の活劇物としては『シンドバッド七回目の冒険』(1958)や、
七回目R
『アルゴ探検隊の大冒険』(1963)といった、氏が40歳前後の頃に手がけた作品群を推す
こととなりましょう。

『アルゴ〜』も劇場パンフをご紹介したいのですが、実は所有していませんで、、、

↓ここはひとつ(関係ないけど)『恐竜100万年』(1966)をば…
100万年
右が初公開時、左がリバイバル時(特撮は素晴しいけど本編の方が残念でしたよね…)。


後年の作品では、荒唐無稽な巨大怪物の登場する機会は減り、代わりに比較的小さな怪物、
例えば人間の背丈より少しだけ大きいとか、人間と同等又は人間より小さいといった、
現実味あるサイズの怪物たちが登場し、自然な動きを見せるという傾向にありました。
前述のヒヒの如く、架空の怪物ではなく実在する生物がそのままの姿で登場する、
といったケースも…

ごく身近に感じられる、よりリアルな生物表現の追求。

歳を重ねるという事、すなわち熟練の域に達した表現者というのは、氏に限らず、
元来そっちのベクトルに向かうものなのでありましょう。



特撮の神様、我らが円谷英二氏(着ぐるみ+大規模なミニチュアセット+高速度撮影)とは
対称的な作風(間接可動な人形+実写合成+コマ撮り)で知られるハリーハウゼン氏。
奇想天外な幾多の幻想世界を創造し、手に汗握る冒険を我々に体験させてくださった、
氏のご冥福を祈らずにはおれません。


合掌。

『ゴジラ(1954)』

先日のこと。

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川崎にある映画館で1週間だけ朝の回に上映されるんだよ、と教えていただき、
ぜひ観に行きたいのでご一緒しましょう、とお伝えしまして、
行ってまいりましたよ。

↓1954年公開の東宝映画『ゴジラ』。
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第1作『ゴジラ』を映画館で見るのはハテいつ以来だろう?と古い手帳をめくってみると、
1981年12月18日(高2の時だ)に池袋文芸地下で鑑賞したのが最後かな?と思いきや、
1982年11月28日に千代田劇場で、次いで1983年9月10日にテアトル池袋で鑑賞、とあり、
この1983年が映画館で鑑賞した最後みたい(美大1年生の時だ)。

ちなみに初めて見たのは幼稚園児の頃?(1969年頃)TV放送で、が最初じゃなかろうか。
(土曜日の午後1〜3時頃によく古い映画を放送していましたよね、たぶんその枠で)
さすがに幼少時は鑑賞した映画の記録をとることなんてなかったので曖昧な記憶ですが。

その後のベータマックスやVHS、LDやDVD、そしてTV放送で見たのも全て含めると、
もう何回(何十回?何百回?)鑑賞したやら計り知れない。
それが久しぶりに劇場の大きなスクリーンで見られるんですから、嬉しいじゃないですか。

60年も前の映画なのに、こんなにも見たくなる。
何度見ても全く飽きない、それってすごいし、またふしぎでもある。

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もうじき49歳になるっていうのに、席に着いて上映が始まるのを待つ間、
なんでこんなにワクワクそわそわドキドキするのだろう。

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ほぼデジタル化が完了した最近の映画館での上映であったので、
単にデジタルデータを映すだけだったりしたら、市販のDVDを見るのと同じですから、
デジタル上映はちょっとイヤだなぁ…と一抹の不安はあったものの、
ちゃんとフィルムプリントを使って上映してくれて、久しぶりに本物の”映画”を堪能。

コマ飛びや、たまに音声が不明瞭になるのもご愛嬌。
本物の”映画”ってのは元来そういうものですから。

デジタル化が成って以降の映画は、所詮 ”映画みたいなもの” に過ぎませんから、ねぇ。

でもって観賞後「こんなにテンポが早かったっけ?」とか「ムダなカットが一つもないね」
「あそこに恵美子さんも尾形もいたんだ…」「なぜラストで着ぐるみが使えなかったか?」
など、新たな感想や発見もあったりしつつ、ホントに心の底から楽しめました。


今さら言うまでもありませんが、1954年の『ゴジラ』は誠に素晴しい作品であり…
この1本で全てが始まり、始まった瞬間に全ては完結してしまったのだな…
結局、そういうことなのだろう、とあらためて思い至り、頷きあったのでありました。


上映が終わって、少し冷静になって、ふと思ったこと。
もし、この第1作『ゴジラ』が、公開時に大コケして興行的に大失敗であったとしたら、
その後の作品や粗製乱造されることとなる変身ヒーローたちは存在しなかったかもしれず、
そうだとしたなら、日本という国はまた違った道を歩んでいったに違いない、と。
ところが、『ゴジラ』は大ヒットを記録した。
そして、今に至る多くの観客、また多くの映画人たちの歩むべき未来を変えたのだ。


そういえば。。。

ゴジラ3 のコピー

本日、1月25日は円谷英二さんの御命日でございます。。。

合掌。

映画って本当に…(3)

むかし集めていた映画のチラシ特集。
今日は邦画篇、小学生の頃の部でござい。

小学生の頃には映画のチラシなんて積極的に収集していたわけではないので、入手したのは
大部分が中学生になってからですが(昭和52年頃、大井町にあった切手&コインの店にて)
この頃のは趣味嗜好がこれまで以上に偏っていて我ながら面白い。

日本沈没
新幹線大爆破 TOKYO湾炎上
生きるリバイバル 七人の侍リバイバル
ノストラダムスの大予言
エスパイ 大空のサムライ
風林火山リバイバル 沖田総司
本陣殺人事件 股旅
ちなみに↑『本陣殺人事件』の音楽を作曲されたのは、映画監督の大林宣彦氏なんです。
氏が『HOUSE』で商業映画デビューする前のお仕事なんです。
メロディが素敵なんです。低予算なATG作品ですからナンですが、ぜひ一度ご鑑賞あれ。
(時代を現代に移しており中尾彬氏扮する金田一さんがジーパンをお召しになっています)

なお上記のうち「生きる」「七人の侍」「風林火山」はリバイバル上映時のものです。
中でも「七人の侍」は4チャンネルステレオで製作し直された3時間27分オリジナル全長版。
初公開(1954年)後、監督自ら再編集した短縮版(2時間44分)がベニス国際映画祭で銀獅子賞
を受賞、以後20年の間は短縮版の方が普及し全長版はほとんど上映されなかったんですね。
リバイバルの際は映画を再編集し尺を短縮しなければならないという規定もあったので、
この時の「七人の侍」の上映は、全長版を鑑賞できるたいへん貴重な機会だったわけです。
でも、今となっては2時間44分の短縮版の方が貴重かもしれませんねぇ。
。。。家庭用ビデオなんて一般的には普及していなかった時代の昔話でございました。。。

映画って本当に…(2)

邦画チラシ特集、中学・高校時代の部、続きでござい。
しかしなぁ。趣味嗜好が偏っているなぁ。

惑星大戦争 連合艦隊
ねらわれた学園
獄門島 じょおうばち転校生
キタキツネ物語 ゴーシュ
kinnbou.jpg kinnrou.jpg
999.jpg 2772.jpg
悪霊島
戦国自衛隊 病院坂の首縊りのいえ
八甲田山 野麦峠
火の鳥

これらに共通するのはCGを使ってないことと前回書きましたが、それは本編だけではなく、
タイトル文字のデザイン、パンフレットの紙面構成、チラシやポスター等の宣材、その他、
ありとあらゆるものがそうであった(生粋のアナログ技術で出来ていた)という意味です。
だからあらためて当時のチラシを見ても、目に優しいし、味わい深いし、心にも響くんだ。
(やっぱりそうじゃないのも混じってるけど(笑))

それにしても…「何もかも皆懐かしい」。

映画って本当に…(1)

かつて集めていた映画のチラシたちをちょっとご紹介。
本日は邦画特集、中学・高校時代の部でござい。

ハウス 瞳の中の
犬神家の一族 悪魔の手毬唄
黄金のパートナー
カリオストロの城 宇宙戦艦ヤマト
八つ墓村 悪魔が来たりて笛を吹く
恐竜怪鳥の伝説 宇宙からのメッセージ
地獄 二百三高知
真田幸村の謀略 ブルークリスマス
人間の証明 野生の証明
順番はめちゃくちゃ。どれもいろんな意味で育ち盛りの感性を刺激してくれた作品です。
(そうじゃないのも混じってるか(笑))
それぞれの作品にコメントをつけようかとも思ったんですが、やめておきます。
各作品に共通して言えるのは、CGを使ってない、ということデスカナ(笑)。

<つづく>

大滝秀治さん、逝く。

大滝秀治さんがお亡くなりになった。

その速報に接した時、一瞬浮かんできたのは映画「ブルークリスマス」の一場面だったが、
あとに続いて5人の人物の姿が、私の脳裏に次々に現れた。
1976〜79年にかけて製作された、市川崑監督による東宝映画 金田一耕助シリーズ全5作、その全てに出演された大滝さんが演じられた、大山神官(犬神家の一族)、権藤医師(悪魔の手毬唄)、儀兵衛(獄門島)、加納弁護士(女王蜂)、加納巡査(病院坂の首縊りの家)の5人。

いま、手元にキネマ旬報1979年5月下旬号(通巻761号)がある。
キネ1

シリーズ最終作「病院坂の首縊りの家」の特集号だ。
キネ2
(後に「八つ墓村」「犬神家リメイク版」を市川監督はお撮りになったが今回は除外する)

思えば中学生の時分から憧れ、勝手にお慕いしてきた市川崑監督が逝去された時、私にとっての映画が消えはじめた、というか、死にはじめた、との奇妙な感覚を抱いたものであるが、いま、大滝さんの訃報に際し、私にとっての映画がいよいよ終わるかもしれないという底知れぬ喪失感を強く感じ始めている次第。

この特集号に大滝秀治さんのインタビュー記事が掲載されているので、、、
キネ4
以下にその全文を引用させていただき、ここに慎んで哀悼の意を表したいと思う。

ちなみに下表のとおり、主演の石坂浩二氏の他にシリーズ全てに出演された俳優は5名おられるが、そのうち2名の方がすでに鬼籍に入られており、そのうえ今度は大滝さん、なのである。
キネ3

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<以下、キネマ旬報1979年5月下旬号(通巻761号)より>

病院坂の首縊りの家 特集 
  市川=石坂コンビによる”金田一シリーズ”を支えた人たち


●大滝秀治● 映画って面白いもんだなぁー

 西武線・野方の駅からご自宅にお電話すると、道がわかりにくいので駅まで来て下さるという。お家の方がいらっしゃるのかと思っていたら、なんとご本人が、自転車に乗ってひょいと現れたので、もう、びっくりしてしまった。大滝さんは、なんだかとてもテレるタイプの方のようで、ご自宅に着いてテープを回しはじめても、やたらと「まあ、まあ」などとおっしゃって、しきりにお酒をすすめて下さる。東京では買えない新潟の銘酒越之寒梅ときくと、こちらもつい気をそそられて杯をかさね、脱線しがちだ。
 「昭和五十年頃までは、ほとんど映画に出してもらえなかったのよ」と、大滝さん。
「森谷司郎監督の『首』と、熊ちゃん、熊井啓監督の『日本列島』・・・他にも数えるくらいしか、映画はないの。よく出るようになったのは今井正さんの『あにいもうと』の頃からかなあー」
 このところ、舞台は休んで映画専門って感じですね、と申しあげると「いえ、いえ、テレビの消耗俳優ですよ」と、あの独特の口調で、大テレのご冗談をおっしゃる。金田一耕助シリーズは、上の表のように大山神官に始まり、いつも違う役で出演している。しかも、事件のカギをにぎっているというか、事件の核心を説明する役が多い。
 「石坂さんとからむ役で出してもらっているでしょ。台詞のやりとりが、いつもとても長くて、ワン・シーン、ワン・カットの長回しが多いの。だからNG出すと、会社に損かけるような気がして、考えちゃうわけよ。貧乏症なのかなー」
 市川監督は感性の人で、いつも気さくに、自由に芝居を流してくれるという。だから楽しみながら自分流にやっているのだが、劇場で見ると、いつも監督の思うツボにはまっていることに気づくという。
 「テストをくり返しているうちに、いつのまにか、なにげない軌道修正がなされているのね。それを見ると、映画って、面白いもんだなーと、いまさらながら思うわけよ」
 「映画っていうのは、結局のところ、脚本と監督できまるのね。だから、うまくできたからって、デカイ顔するなって、自分に言いきかせるわけ」
 映画のキャリアは短いのに、いい監督に恵まれて、それがいちばんの幸運だという。「高倉健さんが、いつも言ってるでしょ。大切なのは、人との出会いだって。これですよ、これ」
 俳優というのは待つものであり、待つことによって、ステキな出会いがあるのだという。ただ待つこと・・・これがわかっていても、これまでに、たったひとつだけ、ぜひとも自分でやりたかった役があるという。それは「デルス・ウザーラ」のデルス。「あれはやりたかったです。それと、黒沢明監督が、代表作は? と聞かれると、いつも次の作品ですとおっしゃるそうですね。いい言葉ですね。私もこれからは、そう言おうなんて思っているんですよ」と、杯を重ねながら、ちょっとカッコつける。さて、大滝さんの次回作はなんだろう?
(3・27/中野区野方の大滝家にて)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

飾らないお人柄…実直なお姿…飄々として時に笑いを誘う…
大滝さんのお芝居は多岐に渡るが、私は『生』に潜む弱さ、醜さ、身の毛もよだつ残酷さ
といったものを叩き込まれた気がする(実際、そういう意味で”怖かった”…)。
もちろんそれは、他では得難いありがたい体験であるのは明白だ。
だから、である。
映画って、本当に面白いものなんだ・・・

キネ5

ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

『ワイルド7』

(以下の記事、書いてからすでに2ヶ月が経過てしまい、今さらですが…)

2012年…年明け早々、鑑賞してきました。
wild7.jpg
映画『ワイルド7』。

”お前がやれぬことならば 俺がこの手でやってやる
 そうさこの世のどぶさらい 悪にゃめっぽう強いやつ
  とばすマシンのシルバーが 暗い闇夜を引き裂いた
   何かありそうな あの7人 何かありそうな ワイルドセブン”

…懐かしい…ですが、、、
ソノシートR

昭和47年に放送されたあのTV版の主題歌は、映画版には一切使われておりません。
カード1

なにしろ今この時代に作られたまったく新しい解釈による作品ですから。

さて、映画『ワイルド7』です。
キャスティングが発表された時点では ”この役者サンたちで果たして大丈夫か?” と訝しく思い、
しかもチャーシュー、両国、八百の3名が、今風のナウい(?)名前に変更されることを知り、
撮入前の段階で ”こりゃだめだろ~な” と感じたものでした。

ところがどっこい大作。
映画館でじっくり観てみたら、とってもおもしろいじゃないですか。

原作漫画を描かれた望月三起也氏が作品作りに当たって大切にされたのが”実証主義”とでもいうべき大道具・小道具へのこだわり。曰くオートバイであったり、銃器の類いであったり。
私はバイクも銃器も詳しくありませんが、撮影現場におけるこだわり(キャラクター設定に合わせて配慮したチョイスの仕方、見せ方の工夫など)は画面からビリビリと伝わってます。

このカット、この見せ方、ガンマニアやバイク好きにはたまらんだろうなぁ、などと頷きつつ…

そんな調子でこだわり男子(もちろん女子も)の琴線を刺激するここらへんのセンス、
昭和47年に初めてTVアニメ化された『ルパン三世』にも通じるよナァ…と感じた次第。
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昭和47年版『ルパン三世』で初めて本格的に、物語や登場人物の個性に合わせて、現実に存在するクルマや銃、腕時計やタバコなど大道具・小道具類をチョイスしてあてがい、舞台となる国家や都市における文化や習慣、建築物、生活環境などを現実に則して設定し、可能な限り資料を集めて作画を行うというスタイルが確立されたのでありました。
トラTR4 LUPIN_04R.jpg
↑(第9話)ラジエターグリルを外してやる気満々のトライアンフTR4を峰不二子が駆る。

"アニメ" なんて呼称はまだ使われておらず、押し並べて "TVまんが" と呼ばれていた当時、、、
次元
このようなリアリティを重視した作画方針の実現は、演出の大隅正秋氏と作画監督の大塚康生氏による功績と讃えられるべきで(高畑勲氏と宮崎駿氏はあとから参加)、しかしながら視聴率の低迷から半年で打ち切りとなったことは甚だ残念であるものの、当時としては内容が大人向けであったことも含めて時期尚早に過ぎた、ということに尽きましょう。
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(ちなみに『ルパン三世』の後番組は『超人バロム1』でしたね…ルロロロドルゲ~)

それ以前は「なんかクルマみたいなものや、バイクみたいなものに乗った主人公が、銃みたいなものをぶっ放す」といったいかにもマンガチックでデタラメな表現が横行していたわけですが、
漫画では『ワイルド7』、アニメでは『ルパン三世』が登場して以降、この手の作品ではリアルな表現を追い求める傾向に向かうわけで、のちに続く作品群の魅力を格段に高めてゆくことに貢献したと評しても過言ではないでしょう。

主人公が犯罪者である、あるいは作風に独特のアンニュイな気配を醸している、等といった点も共通項として上げられそうですが、それはともかく。

再び映画『ワイルド7』に戻りまして、、、
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今やCGIの技術なくしては映画は作れない時代であり、本作にも至る所にCGやデジタル合成が使われていますが、それらはあくまで最終的な加工であり、肝心な部分は基本的に撮影現場主義を貫いておられるようで、そのあたりにも大いに好感が持てます。

もちろんストーリーもね。存分に楽しめましたよ。中盤以降のかなりヤバイ展開に、結末は二通りしかありえない、さてどっちであろう?…なんて手に汗握りながら…。
結果、こうであって欲しい、こうでなきゃ、というエンディングを迎えることとなり、ようやく安堵できたわけです。

連続ドラマ化してくれたらおもしろそうだな、とも思ったりしますが、どうなんでしょうね。
NEC_0003.jpg
そもそもこの作品、ヒットしてるのかな…??

(…1月に書いた記事ですがUPするのを忘れていました…もう上映は終わったのかしらん…?)


『サラの鍵』

鑑賞しました。そして、心に深く刻まれる作品となりました。

saranokagi.jpg
フランス映画『サラの鍵』

1942年夏、ユダヤ人の少女・サラの身に起きたあまりにも痛ましい出来事を、
現在と過去とを行き来しつつ描いた作品。

父と母・・・
想像し難いほど過酷な運命が幼いサラの小さな心にのしかかる。
しかし、手を下したのはヒトラー率いるナチスではない。
直接手を下したのは、当時のフランス政府なのだ。
そして、弟・・・

サラが深い絶望の淵でもがき苦しむ間、
我々観客の心もまた激しく痛み、とことん絶望を味わう。

とっても過酷なのだ。そして悲しいのだ。
わかっている。だってそれは戦争の最中の出来事なのだから。
かつての日本だってそうだったし、世界のどこの国でもそうだったに違いない。
悲しくって当たり前。
それは重々承知している。わかってはいるが、やっぱり、とてつもなく悲しい。
それでいて、ふしぎなことに、
悲劇の波間に漂ううち、ワタシの心はすっきりと洗われてゆく。
悲しい、だけではないのだ。
残酷でありながらも、なにか清々しい。
気がつけば、この物語の内々に己自身の存在を感じ取っているような錯覚に落ち入り、
次第に、あたたかい、澄み切ったような気持ちに変化してゆくのがわかった。

破滅的なサラの運命を描いたこの悲しい映画は、間違いなく良い映画なのだ。
だから、悲しいけれど、同時に、とても嬉しい。

悲しいのに、嬉しい。

それは・・・ワタシがだいすきだからなのかもしれません。
フランスのことが。

映画の中で描かれている狂ったような出来事は、かつて、かの国で現実に起きたことであり、
それをこの映画を通じて当時のフランスの人々の痛みをほんの少しでも共有できたことの喜び。
それは一種の、安堵感みたいなものかもしれません。

命はいつか果てる。
でも命の ”ある部分” は何かのかたちに姿を変えてこの世に残る。
そうして命は何か ”別のかたち” として生き続け、決して消えることはない。

あなたは、この作品に何を見い出し、何を思うでしょうか・・・
ぜひご覧下さいまし。

『聯合艦隊司令長官 山本五十六』

先月末(つまり昨年末)鑑賞してきました。

東映映画『聯合艦隊司令長官 山本五十六』。
五十六2

ワタシらの世代的には、どうしても比較してしまうのが、
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昭和43年東宝制作による『連合艦隊司令長官 山本五十六』であります。

主演の三船敏郎氏の存在感、円谷英二氏の特撮技術、佐藤勝氏の音楽が印象的な作品でした。
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皆さんすでに故人となられて久しいですが、作品の中では今もこれからもご活躍なわけですね。

ちなみに以前、広島県呉市にある帽子屋さんを訪れたことがありまして、、、
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山本長官の軍帽はこのお店で作られていたのですよー。


さて、今作のほうです。
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現在も公開中の作品ですから、詳細な内容については書きませんが、、、
昭和43年の東宝版との違いについて、2点触れておきたいと思います。

1つは脚本及び演出について。
歴史上の人物を史実に基づいて描いた作品なので、どうしても東宝版のリメイクに思えてしまいますが、その後新たに得られた研究成果が反映されたり、当時の社会情勢に関する解釈の仕方も刷新されていて、そこに今作のオリジナリティを見出すことは充分可能です。
特に東宝版の時代は、俳優にも制作スタッフにも、また多くの観客にも、戦争体験者が大勢おられた。そのためわざわざセリフにしたり描写しなくても共感でき、理解できた部分が多々あったはずなんですが、さすがに戦後67年を経た現在においては、背景にある当時の世界情勢と太平洋戦争の因果関係、そもそも我が国の戦争とは何か、そこで散らされた命とは何であるか、といったことをあらためて判るように描く必要があり、それらが加わったことは今の観客にとって大いに歓迎すべきでありましょう。
こうしたほうがいいんじゃない?なんて思うところも若干あったものの、それはそれとして。
じっくりと楽しませていただきました。

2つめはCGIにより、過去の特撮ものとは比べ物にならない程に映像がリアルであること。
映像技術の革新は目を見張るものがあり、そろそろCGか合成かそうでないのかの区別が難しくなってきました。一方でその迫真に迫った(迫り過ぎた)映像のせいで「ホンモノみたいによくできたニセモノ」の写真を延々と見せられているような印象が強いのも事実。嘘なはずなのに妙にリアル過ぎて、脳がいささか疲れてきます。一部ではミニチュア模型を使用した特撮シーンも存在していて、一式陸攻のカットでは護衛機のコクピットからの見た目ショットがミニチュアで撮られており、その場面にはぐっと感情移入することができましたけれど、それ以外の、どこかのできそこないのゲーム画面みたいなのを散々見せられて、そこに豆粒くらいの人間がキレイに合成されていたりしても、大して驚かないし、さほど感動もしないし、感情移入もできにくい。
ほー、よくできとるねー、くらいのもので。
この「ホンモノみたいによくできたニセモノ」を見せつけることが、はたして映像技術の革新の帰結と言えるのか。ワタシにとっては、いやはやナントモ、なのであります。
がしかし…時計を逆回しにはできないもんですからネェ…。
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↑模型のコクピット越しにカメラを据えて撮った↑一式陸攻撃墜の臨場感溢れる特撮カット。


昨年末に最終回を迎えた『坂の上の雲』といい今作といい、実にタイムリー。
五十六1
日本の若い人たちに、またそうでない人たちにも、この機会にぜひ観ていただきたい。


しかしナンですなぁ、CGIも含めて映画作りのデジタライズがほぼ完成の域に達したようで、
つまりそれで何が起きているかというと、昔なら東宝映画は東宝映画でしかなく、東映は東映のカラー、大映はそうそうこんな感じ、日活は…松竹は…と各社の社風のようなものが息づいており、映画を見ただけでどの会社が作った(正確には配給した、ですが)作品かだいたい判ったものですが、今やどれも同じような密度、そっくりなカラーで作られた似て非なる複製品みたいに成り果てたようで、今作も東映だか東宝だか外国映画なんだかもぉよくわからない(笑)。
これも映像技術の革新が成せる業、ナンデショウカ??

でもまぁ最近の自動車だってそうだから。どうでもいい広告とかチラシだってそうだから。
一抹の寂しさ。そう、歳を重ねるということは寂しさが増すということなのかもシレマセヌ。


プロフィール

喜多村 武

Author:喜多村 武
 映像Director、絵本作り、
 イラスト作画、アニメ制作、
 鉄道模型の設計などしている
 ”アトリエざんまい” な日々。
 最近は大学にて講義をさせて
 いただいたりも…。

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